エンドウ繊維は、えんどう豆から分離された食物繊維。乳化力、保水力、ゲル化力を備えており食品改良材としての利用も広がっている食品原料です。
えんどう豆由来の植物性原料で、植物性食物繊維です。
区分 | 食品 |
ペット向け | 使用可 |
海外使用実績 | 中国、ヨーロッパ、北米 |
ハラル、コーシャ対応
植物性原料
製品の特徴
目次
1.エンドウ繊維とは
浸漬してえんどう豆を発芽させ、ウェット状態で粉砕・分離した植物性繊維です。「ピーファイバー」「えんどう豆ファイバー」「えんどう豆食物繊維」とも呼ばれています。
えんどう豆は英語でPea、漢字で豌豆とも表記されます。
えんどう豆の成分は約50%がデンプン、25%がタンパク、残り25%が食物繊維等です。
エンドウ繊維に使用する原料は「黄えんどう豆」です。
黄えんどう豆は、良質なたんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルを豊富に含む健康的な食材です。サラダ、炒め物、カレー、スープなど、さまざまな料理に使われます。
エンドウ繊維は使用量を調整することで、離水防止の用途にお使いいただけます。
また、低糖質なので小麦粉や米粉の一部代替えとしても使用することができます。
吸水性も高いため、加水を前提の増量剤として使用でき、の原価低減を図れます。
繊維原料として安価であるため、コスト競争力が高い商品です。
持続可能な開発目標(SDGs)にも対応しており、環境負荷の低減や健康促進にも寄与します。
2.食物繊維の提案
食物繊維は小腸までで消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。便秘や下痢の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。食物繊維の摂取目標量は男性で21g以上、女性が18 g以上(ともに18~64歳の場合)とされています。(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)より)
ただし現在の日本では、食生活の変化に伴い、1995年には22.5gあった食物繊維の摂取量が、2019年には男女ともに18.4gと減少傾向にあります。(厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査結果より)
食物繊維が不足すると、腸内環境の悪化により便秘になりやすく、代表的な生活習慣病でもある糖尿病や、大腸癌などのリスクが高くなります。
食品群別に食物繊維の多い食品を見てみると、以下のようなものが挙げられます。
穀類:大麦、オートミール、玄米など
いも及びでんぷん類:こんにゃく、さつまいも、じゃがいもなど
豆類:おから、あずき、いんげん、えんどうなど
種実類:えごま、ココナッツ、ごま、アーモンドなど
野菜類:わらび、えだまめ、オクラ、かぶなど
果実類:バナナ、柿、いちごなど
きのこ類:きくらげ、しいたけ、まいたけなど
藻類:わかめ、もずくなど
(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)より
食物繊維には、【水溶性食物繊維】と【不溶性食物繊維】があります。
エンドウ繊維は不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は水に溶けず、保水性に優れています。胃や腸で水分を吸収してふくらみ、腸を刺激して便通を改善したり、便を増やす働きがあります。また大腸内で発酵することで善玉菌のエサになり、腸内環境を整えます。
製造工程で発芽を経ているので、発芽で商品の差別化ができます。また、原料である【えんどう豆】の持続可能性に着目しても差別化を図れます。
弊社のエンドウ繊維は、食物繊維質含有量60%以上を規格値としており、実測値は約70%です。
3.アレルギー対応食としての提案
エンドウ繊維はプラントベースの食物繊維で、100%植物性でアレルギー表示不要のため、アレルギーリスクが低い原料と言えます。
アレルギー表示対象の原料を扱わない工場で製造されているため、製品としてコンタミリスク(異物混入リスク)もありません。
学校給食における食物アレルギーへの対応は生命に関わる大きな課題であり、文部科学省からも対応指針が出されています。
アレルギーを持つ人々にとって安全な選択肢となります。えんどう繊維を活用してアレルギー対応食をバリエーション豊かにすることで、選択肢をさらに増やすことができます。
えんどう豆から分離したエンドウ繊維はこれに対応することが可能です。
4.エンドウ繊維の製造工程
エンドウ繊維は以下の工程を経て製造されています。
エンドウ → 浸漬 → 粉砕 → 分離 → 乾燥 → 包装
浸漬後粉砕する湿式の製造方法であり、原料の豆は浸漬工程で発芽します。湿式の工程で製造され、分離されるエンドウ繊維は希少です。
5.エンドウ繊維の用途
食物繊維源の原料
現在の食品市場は、顧客の多様なニーズに合わせた商品開発競争が依然として継続しています。食物繊維の補給を目的とした商品も、サプリメントだけでなく、グミ、やチョコレート、ゼリーなども登場しています。
消費者の多様なライフスタイルに合わせて、様々な形状の開発が進んでいます。
例:粉末 、パウダー 、栄養バー、ゼリー、スイーツ 、パスタ、パン、⼀般⾷品(即席麺、練り物、レトルト製品等)
食物繊維のみならず、タンパク質やその他特化型の⼀般⾷品も質の強化や健康がトレンドとなっています。
例:健康志向 、ヘルシー、美容、便秘改善、腸内環境、生活習慣病、植物性、サステナブル etc
食物繊維は、老若男女問わず必要な栄養素です。日常的に取り入れることで、健康のみならず、美容やダイエットにも効果的です。このようなことから、トレンドやニーズに対応した商品開発が求められています。
弊社のエンドウ繊維は実測値で食物繊維含量が70%です。食物繊維増強の材料として、食物繊維強化・増強を目的とした食品の原料に適しています。
物性改良材としてのエンドウ繊維
エンドウ繊維は、食品製造における多機能な改良材として非常に有用です。バッターに入れることで、揚げ物やベーカリー製品の外側をカリッとした食感にし、内部をしっとりと保つことができます。
また離水防止効果があるため、具材の品質が長時間保たれ、中華まんの餡や、ハンバーグなどの食感改良が改良します。
さらにエンドウ繊維を入れることによって、溶解速度が遅くなります。これにより、溶けにくいアイスクリームなどを実現することが可能です。
エンドウ繊維を活用することで、自然で健康的な食品を提供しながら、製品の競争力を高めることが可能です。
エンドウ繊維の用途例
バッターの食感改良
バッター配合で、小麦粉に対して1.0~5.0%のエンドウ繊維を添加します。
揚げた後のサクサク感が向上し、経時変化もゆるやかです。
餡での離水防止
ギョウザ、中華まん、ハンバーグ、水練り製品等で、歩留まり向上、食感改良、離水防止の効果があります。
配合量は、対象物の水分によって異なりますが、1.0~5.0%のエンドウ繊維を添加します。
ケーキング防止
エンドウ繊維を全体の0.5~3.0%程度混合することで、粉末製品の固化を防止できます。
吸水改良剤
パン生地や水練り製品、畜肉製品等にエンドウ繊維1.0~3.0%添加することにより、吸水量が増えます。
歩留まり向上、食感改良等に効果があります。
うどん、パスタなどの麺類
麺類にエンドウ繊維を0.5~1.0%添加し、加水量を増やして調整します。
茹で時間の短縮、ボイル後の溶け出し防止、食感改良などに効果があります。
増量剤
対象品に対して、エンドウ繊維2~3%、水10%の比率で加水することで、原価低減の増量剤として使用できます。
対象品例:ハンバーグ、餃子などの餡、ポテトサラダ、水練り製品、缶詰製品
溶解速度を遅くする
アイスクリームなどを溶けにくくすることが可能です。
大豆繊維など、既存の他食物繊維素材からエンドウ繊維に置き換えることで、原価低減も可能です。
エンドウ繊維は凡庸性が高い商材です。さらにアレルギーを使わない、アレルゲンフリー素材を配合し商品化することで差別化ができます。
エンドウ繊維は遺伝子組み換え不使用(NON-GMO)、アレルゲン、グルテンフリー、ローファット、低糖質(糖質オフ)などのキーワードにも適している商材といえます。さらに環境保全をはじめとしたSDGsなどのキーワードとした商材にも適しています。
6.エンドウ繊維の基本情報
名称と規格区分
一般名 | えんどう豆食物繊維、ピーファイバー |
英語名 | Pea Fiber |
区分 | 食品 |
規格成分および含有量 | 食物繊維60%以上 |
食品への原料表記例
原材料の表示例 | 粉末えんどう繊維、食物繊維(えんどう)、豌豆粉、など |
原材料産地表記例 | エンドウ繊維(えんどう(カナダ))、エンドウ繊維(中国製造) |
性状と特性
性状 | 粉末 |
水への溶解性 | 分散、不溶 |
油への溶解性 | 分散、不溶 |
賞味期限 | 製造後2年 |
GMO情報 | 対象外、分別 |
訴求部位 | 腸腸 |
アレルギー物質 | 表示対象外 |
原料と製造地
由来原料 | えんどう豆 |
原料原産国 | カナダ |
製造国 | 中国 |
供給情報
内容量 | 10kg |
供給体制 | 国内在庫有り |
海外使用実績 | 中国、ヨーロッパ、北米 |
ペット向け | 使用可 |
取得認証
EU・USDAオーガニック認証のグレードあり | ハラル認証 | コーシャ認証 |
【リンクフード】エンドウ繊維規格書、製品案内ダウンロード
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